人間とコンピュータの将棋の戦い「電王戦」
将棋の世界ではコンピュータよりも人間の方が強い。 長らくそんな時代、常識が続いてきました。 チェスでは随分前にコンピュータが人間を上回ってますが、相手の駒を自分の駒に出来る将棋は、その複雑さゆえにコンピュータでは太刀打ちできなかったのです。 囲碁になるとさらに将棋より複雑なので圧倒的に人間がまだ強いです。 しかし今年、そんな将棋の歴史が大きく動きました。 人間の、しかも現役のプロ棋士が史上初めてコンピュータソフトに敗北を喫したのです。 みなさんは現在行われている「電王戦」というものをご存知でしょうか。 人間とコンピュータのどちらが将棋が強いかを決める勝負の事です。 今年の電王戦は正確には第二回となり、昨年第一回として開催はされましたが昨年は1番勝負だったし人間も引退したプロ棋士(故米長氏)だったので、そんなに世間も注目してませんでした。 去年の第一回「電王戦」の結果は、コンピュータソフト「ボンクラーズ」が将棋連盟会長の米長氏(引退棋士)に勝利しました。 その場で第二回「電王戦」についての発表がありました。 今年の第二回電王戦は5番勝負の団体戦とし、人間側は現役のプロ棋士で構成すると。 そうです。今行われている第二回電王戦は現役プロ棋士とコンピュータソフトによるガチンコ5番勝負となっているのです。 現役プロ棋士が公の場でコンピュータと対局するのも史上初、もし負けたらもちろんそれも史上初の出来事となる訳です。 そして対戦カードは次のように発表されました。
- 第1局 3月23日(土)阿部光瑠 四段VS習甦(5位のソフト)
- 第2局 3月30日(土)佐藤慎一 四段VSPonanza(4位のソフト)
- 第3局 4月6日(土) 船江恒平 五段VSツツカナ(3位のソフト)
- 第4局 4月13日(土)塚田泰明 九段VSPuellaα(2位のソフト)
- 第5局 4月20日(土)三浦弘行 八段VSGPS将棋(1位のソフト)
つまり、人間が上段へと段位が上がっていくのと同様にコンピュータソフトも強いソフトへと上がっていく対戦になった訳です。 そんな今年の第二回電王戦ですが、現在第2局まで終了し、そして歴史が動きました。 先週行われた第2局で歴史上初めて現役プロ棋士がコンピュータソフトに負けたのです。 自分はコンピュータを応援していましたが、実際に人間が負ける瞬間を目にすると複雑な思いになりました。 コンピュータが人間に将棋で勝つ。それは遅かれ早かれ訪れる事ではありましたが、とうとうその日がきたか・・・と。 今週の土曜は第3局が開催されるので今からその対局が楽しみで仕方ありません。 この対局の様子はニコニコ生放送でライブ配信されますので興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。 最後に自分がなぜコンピュータソフトを応援しているかを説明します。 自分はコンピュータソフトと現役のトップ棋士(順位戦A級在籍棋士など)の対戦が見たいからです。 つまり、羽生さんや渡辺さん、森内さんなどのトップ棋士とコンピュータの真剣勝負が見たい。 そのためにはコンピュータにここで負けてもらっては困るのでコンピュータを応援してるのです。 コンピュータに今年の電王戦で勝ち越してもらい、そして近い将来人間のラスボスであるトップ棋士を引きずり出してもらうために。