アンテナ
解説
アンテナとは空間から電波を受けて信号を受信したり、空間に電波を放出して信号を送信するためのもので、空間に電波を伝える際に、その出入り口となるものです。電波を放出するものも電波を受け取るものも等しくアンテナと呼び、実際一つのアンテナでそのどちらの役割も果たすことができます。
盗聴発信機の送信回路で作られた高周波エネルギーはアンテナに送られますが、この段階ではまだ電波とは言えません。アンテナから空間に高周波エネルギーが放射されてはじめて電波となります。これを電波の送信といい、アンテナは電波を送信したことになるので送信アンテナとなります。盗聴発信器には必ず送信アンテナがあり、アンテナが露出したものと内蔵したものがあります。
空間に存在する盗聴電波受け、電気信号として検出するのが受信アンテナです。受信機には必ず受信アンテナが備わっていますが、本体から棒状に露出したもやイヤホンとアンテナを共用したものがあります。
アンテナは送信または受信する周波数に応じて適切な長さが変わります。このことから、送信する周波数が限定されている盗聴発信器のアンテナはシンプルな棒やコードのようなものがほとんどです。
受信機については盗聴器専用受信機では受信すべき周波数が限定されているためシンプルな針金のようなアンテナが多く、多目的受信機のように多くの種類の周波数に対応したアンテナは内部構造が複雑で太いアンテナになることがほとんどです。
盗聴器に使用する受信機は、盗聴器専用を使用する方法と、多目的受信機を使用する方法とに大別されますが、アンテナの受信性能は受信する周波数を限定したほうが高性能となりやすいことから一般的に盗聴器専用受信機のほうが受信性能が良くなります。
電波には方向性があり、アンテナにも送信、受信を問わず方向性があります。受信機のアンテナの場合、通常は周囲全ての方向から等しく電波が受信できるアンテナが使用されています。このアンテナを指向性に特化した八木アンテナにすることで、方向が限定される代わりに飛躍的に受信性能を向上させることが可能です。電波がぎりぎり届かないといった電波が弱い場所ではこの指向性アンテナが役に立ちます。